【R-18・RP】カウガールバラッド【闇鍋】

おいおい、秘密だって言ったのに覗くのかい？
いいぜ、話をしてあげよう。
ボク？ボクの名前は『ヒラト・マトイ』。カフカ君のおねーちゃんなのでした。
親しみを込めて平等院さん、って呼びなさい。
姉とは言っても、血の繋がりはない。
たまたま同じ施設で育ち、たまたま生まれ持っての異常者で、たまたま気があった。
たったそれだけの縁。
カフカ君は名前の通り過負荷、つまるところ全ての方向性がマイナスに向いた人間。
ボクは名前の通り平等、つまるところあらゆるもの全てを平等にしか見れない人間。
いやぁ、カフカ君を普通に生活出来るレベルにするのは苦労したぜ。
彼は世の中の幸福を許せない人間だった。自分が不幸だから周りも不幸になっちゃえ、ってタイプさ。
あらゆる幸福(プラス)を憎み、呪い、羨む。

だから1回全部ぶっ壊した。
倫理観を、価値観を、人生観を、世界観を、死生観を、先入観を、直観傍観達観静観大観主観客観悲観楽観を。
叩いて混ぜて捏ねて、出来上がったのが今のカフカ君ってわけ。
おかげでかつてに比べると格段にマシになったはずだよ。
どうしてそんなことをしたかって？
だってさ、そんな人間誰だって気持ち悪いと思うでしょ？

まぁ、そういう事さ。
ただ、注意してほしいのは僕が壊せたのはあくまでも表層の部分だけ。
本質は、彼自身が望まない限り変わらないってこと。
覚えておいてねー。

ここまで覗いてくれた君に煮ても焼いても食えない情報をあげよう。
カフカ君って実は無痛病のようなものなんだ。
彼は痛い、ということがわからない、知識でしか知らない。
だから、危険を知らせるセンサーが仕事をせず、どんな状況でもヘラヘラしてられるのさ。
それに伴う情動も、衝動も、彼は感じることが出来ない。
まぁ、我が弟ながらなんとも面倒なたちをしているものだよね。